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by the end of summerのギターによるブログ

20170308 トゥインクルエモのチューニングについて(再掲)

去年の7月くらいにTumblrで書いたものなのですが、ブログがはてなブログに移転してしまったのでもう一度上げておこうかなと……。需要あるのかわかんないけど。

エモリバイバルのオープンコードチューニングについて。fallsとemitationの方と話す機会があったので、どうせなので自分のメモついでに纏めてみようと思い筆を(もといキーボードを)取りました。完全にギタリスト向けの話です。これはちゃうやろみたいな事があればご指摘下さい〜。

僕が確認したバンドのみに限りますが、USエモリバイバルバンドのほとんど9割方がオープンコードチューニングです。ただ当の90年代エモにおいてはほとんどがレギュラーチューニング(もしくはドロップD)であることから、エモのオープンコードチューニングの起源は当時唯一オープンコードチューニングを使用していたであろう後期Cap’n Jazz、American Football、Ghosts and Vodka、Owlsなどキンセラ周辺のバンドに求めることができます。その史料として、なんと太っ腹なことに、近年発売されたアメフトのデラックス版に付いてくるセルフライナーノーツに各曲のチューニングと詳細について記述があります。

This song was written in the “C” tuning (made famous by Vic in a few late-era Cap’n Jazz songs), but with low E raised to an F.

これはNever MeantのFACGCeに関する記述ですが、この文章からオープンコードチューニングを使い始めたのはCap’n Jazz在籍時のビクター・ビラリール(Victor Villarreal)であることが推測できます。ビクターのプレイスタイルはソロギターやカントリーからの影響が強いことでも知られており、Ghosts and Vodkaや彼のソロプロジェクトでもその演奏を聞くことができます。また、ソロギターやカントリーギターではDADGADなどオープンコードチューニングを多様し、かつテクニカルな演奏を求められます(日本でメジャーなのは押尾コータローやT-Cophonyなど)。ビクターのそういった経歴が彼にその着想を与え、キンセラ周辺に影響を与えていったことは想像に難くありません。そこにマイクやティムの自由でトリッキーな発想が加わりエモ独特のチューニングが形成されていったであろうことは言うまでもないでしょう。例えば、上記の史料にもあるようにFACGCeというチューニングはEACGCeの6弦を半音上げたものであり、EACGCeはカントリーで頻繁に使われるチューニングです。こういった部分からマイクの持つオリジナリティーを窺い知れます。

しかし90年代エモはキンセラ周辺以外にも沢山ある、というかそっちの方がメインストリームだったはずなのに、エモリバイバルでは所謂「キャップンジャズ・ツリー」の影響でオープンコードチューニングを使用するバンドが圧倒的に多いというのはどうしてなんでしょうねえ。この辺詳しい人いたら教えてほしいです。

さて、次は僕が知っている限りのチューニングとそれを使用しているバンドについて纏めてみようと思います。

・American Football - FACGCe, DADAC#e, EADABe, EBC#F#Bd#
・Ghosts and Vodka - DADF#Ae

・Algernon Cadwallader - DAEAC#e, EADGBe
・Snowing - DAEAC#e
・TTNG - FG#D#F#A#d#, D#G#FCFG#, DADF#Ae, FACGCe, CGDGBd(DAEAC#eの1音下げ), DBDABe, DADCAe, DAEGAe, DADGAe, EBD#F#Be
・CSTVT - FACGCe(1stと2nd), DADF#Ae(2nd以降)
Prawn - FACGCe
・Tiny Moving Parts - DAEAC#e(半音下げも含む)
・You Blew It! - C#G#C#FB#C#
・Into it, Over It - C#G#C#FB#C#, FACGCe
・Everyone Everywhere - DADF#Ad
・Marietta - FACGCe
・Football, etc - FACGCe
・Sport - FACGCe, EACGCe, DADF#Ae (3rd)
・Lifted Bells - DADF#Ad
・Loose Lips Sink Ships - DADF#Ae
・Their / They’er / There - DADF#Ae
・Midwest Pen Pals - DAEAC#e
・Piglet - DADF#Ad
・Joie De Vivre - FACGCe
・I Hate Sex - FACGCe

(思い出し次第加筆する予定)

おおよそ合ってると思います。違ってるのがあったらすみません。実際にコピーしてみたものだけ列挙していますが、これ以外にもライブ映像や音源で確認する限りこれはオープンコードチューニングだな……というエモリバイバルバンドはたくさんあります。他にも00年代のThe Jesus YearやColossal、The Player Pianoもそうなんじゃないかな?と思ってますがコピーしてないので確証はありません……。
TTNGは公式のタブ譜を参照したので正確だと思います。TTNGだけやたらめったら多いですが、3rdではこれに加えてスパイダーカポを使ったりしています。しかもほとんどが開放弦を鳴らした時にかなり不安定なコードになっていて(FG#D#F#A#d#とかDBDABeとか)、ホンマにこんなんで弾けるんかいな?と思いながらタブ譜通りに弾くとあの曲になるんですよね。はえ^~すっごい……。ちなみにギターのティム・コーリス(Tim Collis)は、インタビューで自身のタッピングやフィンガーピッキングスタイルについてOwlsやMake Believeからの影響を語っています。

国内では僕が知る限りemitation(聞いたけど忘れた)、Goodluck With Your Fun(多分DADF#Ae)、without(DADF#Ae)、hue(分からんけどレギュラーではなさそう)、falls(DAEAC#e)、Low-Pass(DADGAD)、Carnival(FACGCe, EBD#F#Be, もっとあるかも)などがオープンコードチューニングを使用しています。もし企業秘密とかだったらごめんなさい……。

僕の中で4つの分類があります。

・FACGCe
・DADF#Aeとそのダウンチューニングや亜種(Ghosts and Vodkaフォロワーに多い)
・DAEAC#e(Algernon Cadwalladerフォロワーに多い)
・その他
なんかめちゃくちゃ沢山あるように感じるのですが、ぶっちゃけ上の3つを使っていることが殆どです。それぞれどのバンドがどのチューニングを使っているかを判別する方法としては、

  1. チューニングをしているか開放弦を鳴らしているライブ動画を見つける
  2. カポの位置と6弦の開放弦の音を特定する(経験的にFだと大体FACGCe、DだとDADF#Ae)
  3. ライブを見に行ってチューナーを凝視する
  4. 海外のギター掲示板を頑張って読む
  5. なんか合ってそうなギターカバー動画のコメント欄から「COOOOOOOL!!!!!!!! what’s the tuning?」「FACGCE with capo 3」みたいなやりとりを見つける
  6. バンド側がヤングギターかメタルバンドばりのプレイスルー動画をアップしてくれるのを待つ

これらは絶対音感を持ってない僕みたいな人間がやっている方法なので、多分誰にでもできると思います。1はこのCSTVTの動画なんかが分かりやすいと思います(因みにこれは3カポのDADF#Ae)。Football etc,は3の方法で判別しました。笑 当然と言えば当然ですが、自分のギターでチューニングを合わせてみて、ある程度コードトーンを覚えておくとライブでも音源でもかなりスムーズに聴き分けられます。