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by the end of summerのギターによるブログ

中国でライブをしておいしい中華料理をたくさん食べた話 その1

2017年の12月29日から2018年の1月3日までby the end of summerでChinese Footballと中国ツアーをしてきました。タイトルは仮題です。

 

ツアー前日まで

・ツアーをすることになった経緯

 昨年の3月に除波からツイッターのDMで連絡があった。除波はChinese Footballのギターボーカルかつ建築家で、一昨年に京都に移り住んできた武漢出身の中国人である。彼と僕は一昨年末のChinese Football来日ツアー(imakinn records招聘)で知り合い、それからしばしば京都のライブなんかで会うようになっていた。彼は前述の肩書の他に、中国でSango Recordsというレーベル兼ディストロも運営している。連絡というのは、そのディストロで扱ってもらっていたby the end of summerのCDが思いの外好評だったので追加で卸してほしいという内容ともう一つ、「今年時間があったら、中国でライブをやっていかない?」というものであった。
 内容としては、年末年始を使って3〜4箇所程度を回るというものだった。直近でTTNGが香港で逮捕されていたので中国でのライブには若干の不安はあったが、「香港が特殊でその他の都市はそこまで危なくない」と聞き、結構色んな日本のインディーのバンドが中国ツアーをしている事を知った僕はそこそこ行く気になっていた。何よりも除波の「中国でライブやっていかない?(原文ママ)」という口調がやけにフランクで、例えば東京の友達のバンドにライブに誘われて京都から遠征に行くとか、そういう気軽な感じで当時の僕は今回の中国ツアーを捉えていたというのが大きかった。その認識である意味では間違ってはいなかった訳だが、しかしその気軽さ故にライブの規模感を目測誤ってしまったことを後々思い知ることになる。


 他のメンバーはというと、小西と久保くんはその気になっていたが、おやまはそこそこ渋っていた。理由を聞くと「年末年始は日本で過ごしたい」ということだった。なるほど、それは確かに一理あるかもしれない。僕はずっと地元の京都に住んでいるので、大晦日と三が日に実家にいることにそこまでありがたみを感じないが、彼は名古屋で一人暮らしをしており、年末年始くらいは実家に帰ってのんびりしたいと思っているかもしれなかったし、その願望は至極真っ当なものに思われた。実際のところ具体的にどういう理由だったかは知らないが、とにかく彼にツアーを強制するわけにもいかなかったので、この件は一旦棚上げとなった。
 そんな中、6月某日、大阪でAmerican FootballとChinese Footballが邂逅した奇跡の日に、バイサマが中国ツアーに誘われていることを知っていた太一(cimaneのベース)が「おやまさん渋ってるなら俺が代わりに弾きますよ!」と言ってくれた。そのことをおやまに伝えると「死んでも俺が弾く」と言わんばかりにめちゃくちゃヤル気になってくれた。太一は同時に「俺が弾くって言ったらおやまさんも中国行く気になるっしょ!」みたいな事を言っていたので、彼の真の企みは成功したと言えるだろう。

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 こうしてメンバー全員が中国ツアーの意思決定をしたので、7月に除波にその旨を伝えた。僕が「ライブもだけど中華料理が楽しみです。特にエビチリが」と言うと、除波と除波の奥さんは一瞬きょとんとした顔をして、それから「エビチリは無いよ」と苦笑いを浮かべた。言っている事の意味がよく分からなかったので、家に帰って調べてみるとエビチリは日本人が勝手に作ったなんちゃって中華料理であることが判明した。物心ついてからの十数年間、外食といえば家の近所の中華料理ほぁんほぁん向日町店か餃子の王将東土川店だった僕はエビチリがとても好きで、いつか本場の中国でエビチリを、と密かに心の中に思い描いていた僕にはとても残酷な事実だった。そして僕はこの日から餃子の王将でエビチリを注文しなくなった。

 

・ツアーの内容と条件

日程は以下の通りだった。
12/29 中国に入国
12/30 南京でライブ
12/31 武漢でライブ
1/1 上海でライブ
1/2 上海で観光
1/3 日本へ帰国
 「Come Together! Vol.2」のレコ発という名目で、除波が勤めている野生というレーベル会社の全面バックアップの元でツアーをするということだった。移動・宿泊・食事に関する出費はすべて向こう持ちで、僕らが出すのは渡航費だけだった。例えば日本で海外バンドがツアーする際にバンドと招聘元との間の金銭関係がどういった風になっているのかよく知らないが、これを聞いた僕はなんともいたれりつくせりのように感じられたし、実際いたれりつくせりであった。最終的にかかったのは往復の航空機代(合計3万円程度)と観光の際に使った金額のみ。金銭面に関しては本当にありがたかった。

 

・ツアーまでの準備

 ツアーが決まってから初めにするべきだったのはパスポートの取得と航空チケットの購入だった。まあ、これは海外に行く際には誰でも必要なもので、特筆するべきトラブルも無かったので割愛させていただく。ちなみに利用したのは春秋航空というLCCだった。ビザについては観光ビザで入国することになっていたので、中国への渡航においてビザ発行の手続きは特に必要なかった。
 中国でツアーをする際に特殊だなと感じたのは、ライブをする各地方自治体から演奏の許可を取得しなければならない事だった。必要だったのは書類へのサインと、演奏の映像と歌詞だった。後者に関しては中国共産党に批判的な内容の楽曲を国内で演奏させないためのものらしかった。除波に聞くと、以前Bjorkが中国のフェスでフリーチベットの曲を事前の許可なしに演奏してからこういった煩雑な手続きが必要になったらしい。面倒臭いなと思いつつも、この時点で共産圏で演奏することの実感が湧いてきて妙にテンションが上がっていた。それに、恐らく1番面倒臭かったのは役所と直接手続きのやり取りをしていた徐波や野生のスタッフさんたちだっただろうと思うので、大変感謝している。
 その他は恐らく海外旅行をする時と同じような、例えば向こうの治安についてや飲食、電源に関する注意などを調べるといった作業だった。ツイッターで色々と教えて頂いたThe Corpseのtomohirockさんには大変助けられました。ありがとうございました。

 

 

 次回はツアー一日目について書こうと思います。6日間のツアーだったので、あと6回分記事を書くつもりです。果たして書ききれるだろうか……。